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銀座の一等地に誕生した、日本で唯一の地蟹専門店。『銀座ふじ』で出会う、神奈川が育んだ幻の蟹

銀座6丁目、ガーデンスクエア銀座第4ビルの3階。完全予約制の扉の向こうに広がるのは、日本でここにしかない体験です。2026年8月22日にオープンした『銀座ふじ』は、市場にはほとんど流通しない希少な活蟹であるイバラガニとタカアシガニを専門に扱う、高級蟹専門店。しかもその蟹は、遠く北の海からではなく、東京からほど近い神奈川県の深海から届けられます。

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グルメディア編集部
グルメディア編集部グルメディア 編集部
2026年9月21日読了 約5分
銀座の一等地に誕生した、日本で唯一の地蟹専門店。『銀座ふじ』で出会う、神奈川が育んだ幻の蟹

銀座6丁目、ガーデンスクエア銀座第4ビルの3階。完全予約制の扉の向こうに広がるのは、日本でここにしかない体験です。2026年8月22日にオープンした『銀座ふじ』は、市場にはほとんど流通しない希少な活蟹であるイバラガニとタカアシガニを専門に扱う、高級蟹専門店。しかもその蟹は、遠く北の海からではなく、東京からほど近い神奈川県の深海から届けられます。

一隻だけになった漁師が守り抜いた、深海の恵み

「カニといえば日本海側」というイメージをお持ちの方は多いはずです。しかし『銀座ふじ』が扱うのは、横須賀沖の深海、水深700〜1,000メートルに生息する蟹たち。日本で唯一この蟹を専門に獲る漁師「稀陽丸(きひろまる)」と独占取引し、市場を介さず仕入れた活きたままの蟹を、銀座のカウンターで味わうことができます。

イバラガニとタカアシガニの存在が明らかになったのは、1970年代の調査がきっかけでした。発見当初は複数の漁師がこの蟹を追いましたが、20年にわたる漁の末、乱獲によって資源は激減。残ったのはただ一隻でした。教訓を胸に刻んだ漁師は、今も一尾一尾を丁寧に見極めながら漁を続けています。水揚げ後は大型の生簀で管理され、活きたまま店舗へ直送。『銀座ふじ』の代表は、こうした漁師の技術と誇り、そして生産者の想いまでも届けたいという思いから、この店を立ち上げました。「神奈川に、これほど美味しい蟹がいることを知ってほしい」。希少性だけでなく、確かな美味しさこそが、この店の核にあります。

生簀を背景に繰り広げられる、目の前のライブ感

カウンター席に座ると、まず目に入るのが背後に構える生簀です。ここで活きたまま管理された蟹が、注文を受けるとそのまま職人の手に渡り、目の前で捌かれていきます。包丁が入るたびに立ちのぼる潮の香り、殻を割る乾いた音。厨房越しではなく、すぐそばで繰り広げられるこの臨場感こそ、『銀座ふじ』ならではの体験です。

職人は捌きながら、その蟹がどこでどう獲られたものか、部位ごとにどんな味わいが楽しめるのかを、一皿ごとに丁寧に説明してくれます。上質な空間でありながら、どこか職人と客との距離が近く、会話も自然と弾む。そんなライブ感を楽しめるのも、完全予約制・カウンター8席という規模だからこそ実現できているのでしょう。

器にまで宿る、蟹へのこだわり

『銀座ふじ』のもうひとつの見どころが、器です。店内で使用する器はすべて、佐賀県唐津市で窯元「曹源窯」を営む陶芸家・小島直喜氏による特注品。約40年にわたり古唐津の技を研究してきた作陶家が、蟹をモチーフにした絵柄を自ら考案し、この店のためだけに焼き上げました。

箸置きは蟹の爪をかたどり、器の中にはウニをモチーフにしたものも。お椀は出汁まで口をつけて飲み干せるよう設計されており、料理そのものだけでなく、器に込められた作り手の技術や美意識までも味わえる仕立てになっています。料理と器、双方が一つの世界観を作り上げているのです。

実食レポート:一皿ごとに変化を味わう、活蟹コースの真骨頂

まず【先付け】は、蟹と蟹味噌を和えた一皿。唐津焼の器に盛られた姿がまず目を引きますが、口に運ぶと蟹の繊維がほろりとほどけ、蟹味噌のコクが後を追いかけてきます。

続く【お椀】は、専用に設計された椀で出汁まで飲み干せる仕立て。蟹の旨みが溶け込んだ出汁は、澄んだ味わいながらも余韻がしっかりと残ります。

そして料理の主役、【活蟹刺し】。1つ目はすだちを絞ったさっぱりとした味わいで、蟹本来の透き通るような甘さがダイレクトに伝わってきます。もう1つは醤油をひとさじ。同じ身とは思えないほどコクが増し、旨みの輪郭がくっきりと立ち上がります。食べ比べてみると、活きた蟹だからこそ感じられる繊維の締まりと、噛むたびに滲み出る甘みに驚かされました。

続く【活蟹しゃぶしゃぶ】は、レアとミディアムの二段階。レアはさっと出汁にくぐらせただけの状態で、生の甘みとねっとりとした食感が舌に絡みつきます。一方ミディアムは、火が入ることで身がふわりとほどけ、甘みの質そのものが変化するのがわかります。同じ蟹、同じ出汁でありながら、火入れの加減ひとつでここまで違う味わいを楽しめます。

【活蟹焼き蟹】は、運ばれてきた瞬間から醤油の香ばしい香りが立ちのぼります。ひと口食べると、火であぶられたことで旨みがぎゅっと凝縮され、蟹の甘みと焦げの香ばしさが一体となって広がっていきます。

そして締めくくりは、【茹でたて活蟹と土鍋ご飯】。炊きたての土鍋ご飯に、蟹味噌と醤油、いくらをのせていただきます。蟹味噌のコクが醤油の塩気と絡み合い、いくらのプチプチとした食感がアクセントに。これは漁師自身が勧める食べ方だといい、素材の魅力を知り尽くした人だからこそ辿り着いた、この上なく贅沢な一杯でした。コースの最後にふさわしい、満足感のある締めくくりです。

コース情報

コースは「タカアシガニコース(29,800円)」「イバラガニコース(27,090円)」のほか、「タラバガニコース」「毛蟹コース」の全4種類。季節や漁獲状況によって提供される蟹の種類が異なる場合もありますが、いずれのコースも刺身・しゃぶしゃぶ・焼き物・蒸し物など、蟹の個性を最大限に引き出す調理法で提供されます。ドリンクはワインや日本酒を中心に、蟹料理とのペアリングを意識したラインナップ。専属ソムリエが一皿ごとに最適な一杯を提案してくれます。

『銀座ふじ』で唯一無二の蟹体験

神奈川の深海に、これほど豊かな蟹の世界が広がっていたとは、多くの人にとって驚きではないでしょうか。『銀座ふじ』が届けるのは、単なる希少な食材ではなく、乱獲の教訓を経てなお蟹と向き合い続ける漁師の哲学と、それを器と料理で表現し尽くす職人たちの技術です。完全予約制ゆえ、体験できる人は限られています。銀座を訪れる機会があれば、ぜひこの"日本で唯一の蟹体験"を確かめてみてください。

店舗情報

店名銀座ふじ
住所東京都中央区銀座6-7-6 ガーデンスクエア銀座第4ビル3階
営業時間17:00〜23:00(完全予約制/カウンター席は17:30〜20:00)
電話番号03-6280-6480
定休日日曜日・月曜日
公式HPhttps://ginzafuji.jp/